フリーコンサルとして働くことを検討する際に気になるのは、会社員としてコンサルティングファーム(以下、コンサルファーム)に勤めるコンサルタントと比べて、何が変わるかという点です。
本記事では、変わる点を、契約、報酬、稼働条件、携わるテーマ、案件の獲得方法、キャリアの6つに分けて解説します。稼働条件とは、稼働率と業務を行う場所を指します。稼働率は、フルタイムを100%とした場合に、月にどの程度稼働するかを示す割合です。また、独立する場合に必要となる税金と保険の手続きは、8章で紹介します。独立を検討している方と、会社員のまま副業として始めたい方に向けた内容です。
1. フリーコンサルとは
雇用契約ではなく業務委託契約によって、クライアント(案件を依頼する企業やコンサルファーム)のプロジェクトに参画するコンサルタントを、フリーコンサルと呼びます。契約は、参画する案件ごとに締結します。個人事業主として契約する方もいれば、法人を設立して契約する方もいます。
コンサルファームの出身者に限らず、コンサルタント以外の職種からフリーコンサルになる方もいます。働き方としては、会社を退職して独立する形のほか、会社に勤めながら副業として案件を受ける形もあります。
2. コンサルファームに勤めるコンサルタントと比べて変わる6つのこと
変わる6つの点を、次の表にまとめます。
| 変わること | コンサルファームに勤めるコンサルタント | フリーコンサル | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 契約 | 会社と雇用契約を締結する。 | 案件ごとに業務委託契約を締結する。 | 3章 |
| 報酬 | 職位などに応じた給与が、毎月支払われる。 | 案件ごとの条件(単価や稼働率など)によって決まる。 | 3章 |
| 稼働条件 | フルタイムでの勤務が前提となる。業務を行う場所はプロジェクトごとに決まり、クライアント先に常駐する場合もある。 | 稼働率と業務を行う場所(リモート条件)は案件ごとに異なり、その条件を確認したうえで、応募する案件を選ぶ。 | 4章 |
| 携わるテーマ | コンサルファームが受注したプロジェクトの中から、社内での割り当てによって決まる。本人が希望を伝え、パートナー(プロジェクトを統括する役員)と相談して決まる場合もある。 | 募集されている案件の中から、テーマを確認して選ぶ。 | 5章 |
| 案件の獲得方法 | 多くのコンサルタントは自ら営業せず、コンサルファームが受注したプロジェクトに参画する。 | マッチングサービス・人脈・直接営業の3つの経路で、自ら案件を獲得する。 | 6章 |
| キャリア | 社内の評価に応じて職位が上がる。 | コンサルファームのような職位や昇進はなく、参画した案件の経験が実績として蓄積される。 | 7章 |
会社員のまま副業として案件を受ける場合も、契約、報酬、稼働条件、携わるテーマ、案件の獲得方法は、表の「フリーコンサル」の列と同様です。勤務先との雇用契約は継続し、健康保険と年金も変わりません。副業の所得によっては、確定申告が必要となります(8章)。
3. 業務委託契約を案件ごとに締結するため、報酬も案件ごとに異なる
業務委託契約は雇用契約ではないため、残業代の支払いや有給休暇の制度はありません。
ハイタレントを通じた案件では、業務委託契約の相手方はクライアントではなく、間に入るハイタレントとなります。月の報酬は、月額単価に稼働率を掛けた金額です。月額単価とは、稼働率100%の場合の1か月分の報酬を指します。例えば稼働率50%の案件では、月の報酬は月額単価の半額です。毎月、稼働報告と請求書をハイタレントに提出し、報酬を受け取ります。請求書に関わるインボイス制度については、別の記事で解説します。
4. 稼働率と業務を行う場所は、案件ごとに異なる
ハイタレントでは、多くの案件で、月にどの程度稼働するかを稼働率で示しています。稼働率100%は、月160〜200時間が目安です。稼働率は案件ごとに異なり、週1日程度の案件からフルタイムの案件まであります。業務を行う場所については、リモート不可、一部リモート可、完全リモート可の3通りの条件があります。一部リモート可の案件には、会議の際に数時間だけクライアント先を訪問する形と、クライアント先に出社し、その日は終日業務を行う形があります。どちらの形になるかはクライアントの要望によって決まるため、応募する前に案件の詳細でご確認いただくか、ハイタレントの担当者にお問い合わせください。
稼働する時間帯は、クライアントと相談しながら決めていきます。稼働率を週の稼働日数に換算する目安と、複数の案件に並行して参画する場合や本業と両立する場合の稼働率の考え方については、『フリーコンサルの働き方と稼働率の考え方』で解説しています。
5. 応募する案件は、クライアントとテーマを確認して自ら選ぶ
ハイタレントの案件のクライアントは、上場企業、未上場の中小企業、スタートアップ、コンサルファーム、投資ファンド(VC・PE)などです。次の表は、企業がハイタレントに依頼するテーマの例です。
| 対象部門 | 支援可能テーマ |
|---|---|
| 経営層 | 経営課題整理/経営会議資料の構想・作成/経営に関する壁打ち |
| 経営企画部門 | 中期経営計画策定/事業戦略策定/M&A戦略検討/海外進出支援 |
| 新規事業開発部門 | 事業機会探索/事業仮説検証・PoC支援/外部アライアンス検討 |
| IT/DX・業務改革推進部門 | IT/DX戦略策定/グランドデザイン策定/システム導入支援/BPR/コスト削減 |
| 研究開発(R&D)部門 | R&D戦略策定/ロードマップ策定/技術テーマの事業化/オープンイノベーション |
| 人事/組織開発部門 | 組織戦略策定/評価制度設計/採用戦略策定/研修コンテンツ作成 |
| IR部門 | IR戦略検討/統合報告書作成/財務情報開示/ESG・マテリアリティ分析 |
このほか、全部門に共通するテーマとして「AI/データ活用」があります。ご自身の経験がどの部門のどのテーマに該当するかを把握しておくと、応募する案件を選びやすくなります。
6. 案件を獲得する経路は3通りあり、ハイタレントでは会員審査を経て応募する
案件を獲得する経路には、次の3通りがあります。
- マッチングサービス:サービスに登録し、紹介を受けた案件や、自ら探した案件に応募します。ハイタレントも、マッチングサービスの一つです。
- 人脈:前職の同僚や過去のクライアントから、案件の相談を受けます。
- 直接営業:企業に対して、自ら提案します。
それぞれの特徴は、『フリーコンサルの案件を増やす3つの打ち手』で解説しています。
ハイタレントを通じて案件に参画する場合の流れは、次のとおりです。
- アカウント作成と会員審査の申請:HiTalentの登録ページでアカウントを作成し、会員審査を申請します。アカウント作成は無料です。登録には、メールアドレスまたはGoogleアカウントを使用できます。
- 会員審査:審査の結果に応じて会員ステージが決まり、会員ステージによって応募できる案件の範囲が異なります。審査が完了するまでは、案件情報を閲覧できません。
- 案件の確認と応募:HiTalent内のプロジェクトページで案件を確認し、応募します。ハイタレントの担当者から案件の紹介を受けることもあります。
- 推薦と面談:応募後、ハイタレントが経歴を取りまとめ、クライアントに推薦します。クライアントが経歴を確認したうえで、面談に進むかどうかが決まります。
- 参画の決定と契約:面談を経て参画が決まった後、ハイタレントと業務委託契約を締結します。
ハイタレントでは、アカウント作成と会員審査の申請は、在職中でも、稼働の予定がまだない段階でも可能です。審査を受けておくことで、在職中から、ご自身の会員ステージと、そのステージで応募できる案件を把握できます。
7. キャリアは、参画した案件の実績を積み重ねて築く
コンサルファームでは、過去の経験や本人の希望も踏まえて、参画するプロジェクトが社内で決まり、職位も社内の評価に応じて上がります。フリーコンサルには、コンサルファームのような職位や昇進はありません。案件に応募する際は、会社員時代の経歴に加えて、フリーコンサルとして参画した案件でどのような業務を担ってきたかを実績として示します。職位という指標がないため、キャリアをどのように積み重ねていけばよいか判断しにくいと感じる方もいます。
ハイタレントを通じて参画した案件の稼働実績は、ハイタレントが記録しています。別の案件でクライアントに推薦する際には、その実績もあわせてお伝えします。また、稼働実績に基づいてハイタレント独自の職位を付与し、キャリアを可視化する認定制度も設けています。さらに、クライアントからのフィードバックを収集し、参画したコンサルタントにお伝えしています。フィードバックは、その後の案件選びやキャリア形成に活かしていただけます。
8. 独立後は、税金と保険の手続きを自ら行う
個人事業主として独立すると、会社が担っていた所得税・健康保険・年金の手続きの多くを、ご自身で行う必要があります。必要な手続きは、所得や家族の状況などによって異なります。不明な点は、税務署、お住まいの市区町村、年金事務所などの窓口にご確認ください。手続きの概要は、次の公的機関の案内に掲載されています。
- 所得税:確定申告の手続きについては、国税庁の『No.2020 確定申告』をご覧ください。
- 健康保険:退職後に加入できる保険については、全国健康保険協会(協会けんぽ)の『退職後の健康保険について』をご覧ください。
- 年金:国民年金の手続きについては、日本年金機構の『会社を退職したときの国民年金の手続き』をご覧ください。
会社員のまま副業として案件を受ける場合、健康保険と年金は変わりません。副業の所得によっては確定申告が必要となります。確定申告が必要かどうかは、国税庁の『No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人』で確認できます。
9. フリーコンサルとして働くメリットとデメリット
契約、報酬、稼働条件、携わるテーマ、案件の獲得方法、キャリアの6つについて、メリットとデメリットを次の表にまとめます。
| 変わること | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 契約 | 案件ごとに契約するため、契約が終了するたびに、新たに受ける案件の条件を選び直せる。 | 雇用契約ではないため、残業代の支払いや有給休暇の制度はない。 |
| 報酬 | 案件の単価と稼働率によっては、コンサルファームに勤めていたときより年収が増える(会員インタビュー)。 | 案件間に非稼働期間が生じると、その期間は報酬が発生しない。 |
| 稼働条件 | 稼働率の低い案件であれば、複数の案件への並行参画や、本業などとの両立がしやすくなる。 | 希望する稼働率やリモート条件によっては、応募できる案件が少なくなる。 |
| 携わるテーマ | 関心のあるテーマに合わせて、応募する案件を選べる。 | 携われるテーマは、その時点で募集されている案件に左右される。 |
| 案件の獲得方法 | マッチングサービスを利用すれば、自ら営業しなくても案件の紹介を受けられる。 | 案件が終了するたびに、次に参画する案件を探し、応募する必要がある。 |
| キャリア | 応募する案件を選ぶことで、どの業界やテーマで経験を積むかを決められる。 | コンサルファームのような職位や昇進がないため、キャリアをどのように積み重ねればよいか判断しにくい。 |
案件間の非稼働期間を避けるには、参画中の案件の契約が終了する前から、次に参画する案件を探し始めましょう。具体的な探し方は、『フリーコンサルの案件を増やす3つの打ち手』で解説しています。
独立すると、表の6つのほかにもデメリットがあります。税金と保険の手続きをご自身で行う必要があること(8章)と、職場の同僚がいなくなり、日常的に相談できる相手が減ることです。ハイタレントでは、会員同士がつながるビジネスコミュニティを運営しており、勉強会や交流会も開催しています。開催の様子は、勉強会のレポートと交流会のレポートで紹介しています。ビジネスコミュニティは、会員審査でHiTalent会員となった方であれば、案件に参画していない期間もご利用いただけます。
10. よくある質問
- フリーコンサルとは、どのような働き方ですか。
-
雇用契約ではなく業務委託契約によって、クライアントのプロジェクトに参画する働き方です。コンサルファームに勤めるコンサルタントと比べると、契約、報酬、稼働条件、携わるテーマ、案件の獲得方法、キャリアの6つが変わります。独立する場合は、税金と保険の手続きもご自身で行います。詳しくは1章・2章・8章をご覧ください。
- コンサルファームの出身でなくても、フリーコンサルになれますか。
-
はい。コンサルファーム以外の出身で、フリーコンサルとして活動している方もいます。ハイタレントでは、コンサルファームの出身でなくても会員審査を受けることができます。審査で決まる会員ステージによって、応募できる案件の範囲は異なります。会員審査は、主に戦略コンサルティングファームや投資銀行などでの経験がある方を対象としていますが、それ以外の経歴の方でも、案件に応募できる会員ステージとなる場合があります。詳しくは1章・6章をご覧ください。
- 会社員のまま、副業として始められますか。
-
はい、ハイタレントでは、会社員のまま副業として案件に参画できます。ただし、勤務先の規定で副業が認められているかについては、ハイタレントでは確認ができかねるため、ご自身での確認をお願いします。詳しくは1章・2章・8章をご覧ください。
- 報酬はどのように決まりますか。
-
ハイタレントを通じた案件では、月の報酬は、月額単価に稼働率を掛けた金額です。月額単価とは、稼働率100%の場合の1か月分の報酬を指します。例えば稼働率50%の案件では、月の報酬は月額単価の半額です。詳しくは3章をご覧ください。
- 退職前や、直近の稼働予定がない場合でも、登録できますか。
-
はい、ハイタレントでは、在職中でも、直近の稼働予定がなくても、アカウント作成と会員審査の申請が可能です。審査を受けておくことで、在職中から、ご自身の会員ステージと、そのステージで応募できる案件を把握できます。詳しくは6章をご覧ください。
11. まとめ
コンサルファームに勤めるコンサルタントと比べて変わるのは、次の6つです。
- 契約:案件ごとに業務委託契約を締結します。
- 報酬:案件ごとの条件(単価や稼働率など)によって決まります。
- 稼働条件:フルタイムが前提ではなくなり、案件ごとの稼働率とリモート条件を確認したうえで、応募する案件を選びます。
- 携わるテーマ:募集されている案件の中から、テーマを確認して選びます。
- 案件の獲得方法:マッチングサービス・人脈・直接営業の3つの経路で、自ら案件を獲得します。
- キャリア:コンサルファームのような職位や昇進はなく、参画した案件の経験が実績として蓄積されます。
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- フリーコンサルの案件を増やす3つの打ち手:案件を獲得する3つの経路、独立後に最初の案件を獲得する方法、応募後の選考の流れ、希望条件の設定方法を、ハイタレントの掲載案件のデータとあわせて解説しています。

